teikokukagekidan’s diary

主にハーメルンに投稿してる小説の設定

てゐ国歌劇団、紅魔姫

紅魔姫(こうまき)
脚本、毒組 演技指導、しゅヴぁる

主演、紅魔姫、タマズサ
   騎士、らんまる
   王、ベノホーン
   予言者、ぷりん
   ナレーション、ラグナロク
   他


ナレーション「今から遥か昔、まだカロスが人の開拓をあまり受けていなかった時代、一つの王国がありました、その王国は予言者の予言によってなりたち、王国はそれにより存続していました、しかしある日...」

王「おお!予言者よ、どうしたのだ、血相を抱えて」
予言者「王様!また新しき予言です!」
王「して、その予言とは」
予言者「破滅の予言にございます」
王「なんとうことだ...」
予言者「ここより北の城に魔を振りまく者がいるという予言でございます」
王「至急に兵を集めよ!その城を落とす!」
予言者「お言葉ながら王様、闇雲に兵を出してもあの惨劇を...」
王「ならばどうする!このままおめおめと待てというのか!!」
予言者「ならば腕に覚えのある者に討伐依頼を出しましょう」
王「ふむ...わかった、それでも討伐できなかった場合わが軍で落とす、それが条件だ」
ナレーション「こうして王は国を上げて討伐依頼を出した、だがもどってきた者はいなかった」


紅魔姫「ああ!どうして私はここに...まるで何かに縛られているかのよう...」
ナレーション「そのとき、その空間にあったかのようななかったかのような扉が勢いよく開いた」
姫「どなた?あなたはだあれ?」
騎士「私は通りすがりの騎士だ、あなたを殺しにきた」
姫「どうして...私はどうして...そのような...」
ナレーション「姫はうるうると泣きそうになっていた、ぼろぼろと涙をあふれさせていた」
騎士「あなたが魔をもたらすものだからだ!...くっ...」
姫「どうなさったの...!苦しいのですか!?」
騎士「あぁ!!私にはとても君が魔をもたらすものとは思えない!君は魔をもたらす悪魔だと言うのに!」
姫「私にはなんのことかさっぱり...信じて...」
騎士「いや!私には君を信じることはできない!」
姫「だったら...これから信じて!」
騎士「なんだと...どうするというのだ!」
姫「この城を...豊かにしましょう...それだけでいい...」
騎士「...」
姫「お願い...」
騎士「わかりました、私は今からあなたを信じます...だがあなたが魔もたらすなら刃を容赦なく向けます」
姫「わかりました...」


ナレーション「二人は互いに協力し、共に暮らし、いつしか城は緑豊かな美しい城に生まれ変わったのである」


姫「きれい...」
騎士「ここまで来ました、この美しい城を見せ今のあなたを見せればあの方も...」
姫「あの方?」
騎士「隣の国の王です、彼は予言のままあなたを抹殺しようとしてます」
姫「そんな...」
騎士「しかし今なら...ぐっ...」
姫「?」
騎士「逃げてください...!」
姫「え...」
騎士「もうこの体を制御できない...!」
姫「騎士様!」
騎士「私は一度...」
???「離れるのだ!!」
姫「あなたは!?」
王「隣の国の王だ!さあ!速く!」
姫「いやっ!!あなたは私を殺します!」
王「なぜ殺す必要がある!」
姫「私は魔をもたらすもの!あなたは私を予言のまま殺す!」
王「そなたは違う!そなたは魔をもたらすもの、私が討伐するのは魔を振りまく者!つまりはこやつ...我が息子だ!」
姫「そんな..」
王「今は引くのだ、ついて参れ!」



ナレーション「姫は驚きを隠せなかった、自分の信じた騎士は数年前国を襲った惨劇で死んだはずの王子であった、その惨劇も魔をもたらす者が起こしたことで王は息子を失って以来魔を滅ぼすために日々奮闘しているという」
王「どうしてこうなったのか私にもわからん、だが予想はできる、カロスの伝説がこうさせているのかもしれん」
姫「伝説?」
王「イベルタル、私たちはそう呼んでいる」
姫「それじゃあ騎士様はその力に...?」
王「とりこまれかけている、しかし奴はそれに耐えているようにもみえた、そなたならわが息子を救えるやもしれぬ」
姫「ですが私は魔をもたらすもの!どうすれば...」
王「そなたは本当に魔をもたらすだけのものなのか?」
姫「えっ...」
王「自らを信じないでどうする!逃げるな!言葉よりも行動から!」
姫「!」
王「私は今より援軍を呼ぶ!共にくるか?」
姫「私は...騎士様を救います!」
王「わかった!こちらも速急に!かならず生きよ!何があっても!」


姫「騎士様...?」
騎士「姫...」
姫「もう大丈夫ですから...」
騎士「ぐうう!!」
ナレーション「見るからに禍々しい闇の手のひらが姫の頭を砕く勢いで握りつぶそうとする、小さな頭がミシミシと音を立てる」
姫「痛くない...怖くない...大丈夫...」
ナレーション「姫は目一杯涙をこらえていた、自分の唇を血が出るくらい噛み、涙をこらえていた」
騎士「姫..様...」
ナレーション「闇の手のひらは力を緩めた、その瞬間ドサッと姫は力なく倒れ落ちた、その瞬間を姫は見逃さなかった」
姫「騎士様!」
ナレーション「自分の胸に飛び込んできた姫を騎士は優しく抱きしめた」
騎士「姫...すまない...」
姫「いいの...あなたさえいれば...」
騎士「いいのか?私は魔を振りまく者だ...」
姫「私は魔をもたらすもの!だからあなたにであえた...私はそれだけで...」
騎士「姫...、!あれは...」
ナレーション「二人の目の前には青く澄んだ瞳をもった者がいた」
騎士「ゼルネアス...」
姫「ゼルネアス?」
騎士「そうか...私はイベルタルに勝ったのか...」
姫「どういうこと?」
騎士「死んだ私はイベルタルに選ばれた、そして魔を振りまく者として生き、魔を浄化できればゼルネアスにより命を授けてもらうという約束をした...」
ナレーション「ゼルネアスと呼ばれるものは静かにうなずくとすぅっと消えていった」
姫「騎士様...」
騎士「姫様、お願いがあります、私はイベルタルに勝ち命を授かりました...ですがあなたは魔をもたらすもの...いずれ狙われるでしょう...」
姫「しっかり!無理をしないで!」
騎士「いいえ!無理をします...!私にあなたを守るために妻になってください...!」
姫「よろこんで!」
ナレーション「こうして二人はお互いを思い、魔を退け、カロスに幸せをもたらしたとされます」


紅魔姫 完