teikokukagekidan’s diary

主にハーメルンに投稿してる小説の設定

†MULTIPLE AIGIS† 第二話 -測定不能-代行者-

この物語は
ポケモン
裏要素
申し訳程度のサクラ大戦要素
を含みます。これがダメという闇の力の僕たちはとっととおうちに帰りなさい


今回はベノたちの名前は表記どおりになります、基本一話完結の形をとると思います。またこのタイトルになってから初の登場になる既存キャラは始めての台詞の際に種族と性別を書かせていただきます(色違いは★が付きます)




現在地:てゐ国歌劇団カナズミ支部、隊長室


まお(ニドキング♂★)「ふむ、我等地組の戦闘データか」
キレイに纏められた資料をペラペラと捲る彼、まおうKが見ている物は彼等てゐ国歌劇団地組のメンバーの身体能力や戦闘での立ち回りが記録された資料だった
MEXさん(カメックス♂)「はい、次の地方に向かう前に全員でトレーニングをと思いまして…」
しらみつ(バルビート♂)「その資料は約一年半前の物です、丁度私といっこんぞめさんが入隊した直後の物ですね」
まお「古い資料だ、今と比較するか」
ニヤリと笑いながらまおは席を立ち上がり、机のスイッチのようなものを拳で叩いた、すると一分も立たないうちにほかのメンバーが続々隊長室に集まった
まお「貴様等、最後に本気のトレーニングをしたのはいつ頃か覚えているか?」
ドラゴ(ボスゴドラ♂★)「一年半前じゃないか?」
MEXさん「流石です、ドラゴ。ドラゴの言ったとおり最後に本気のトレーニングをしたのは一年半前です。現状資料としてはあまりにも古過ぎます」
まお「もう分かるだろう、明日、本気のトレーニングをする。各自今からウォーミングアップを済ませろ」
RTYUA(デンチュラ?)「言うの遅いし突然じゃん、そんなんじゃ精密なデータ取れないよ?」
まお「前回を忘れたか、前回言い出したのは一時間前だぞ」
ジーナ(バルジーナ♀)「今回はほぼ一日デスからまだ楽デスネェ」
いっこんぞめ(表)(バクフーン)「まぁアタイ等なら余裕でしょ」
まお「油断していていいのか?まぁ良い、精々失望はさせるな。過去に負ける阿呆は我自ら鍛え直す」
まおが部屋を出た瞬間、隊長室から人影は無くなっていた



翌日:ハデススタジアム(まおが作った馬鹿でかい体育館みたいなもの)

まお「では戦闘データの収集を始める、最初は誰だ?」
くぃーん(エーフィ♀)「…私から行かせてもらう」
しらみつ「では戦闘データの収集を開始します、存分に暴れてください」
そう言うとスタジアムの床に小さな穴が空き、モンスターボールと同じくらいの大きさのカプセルが排出された
くぃーん「む…?それがターゲットか?」
まお「ふふ…油断していると痛い目に合うぞ?」
そのカプセルは人型に変形し、丸々くぃーんの形を模った!
しらみつ「コピーカプセル。データを主とし、それと同様の力を扱う事の出来るアンドロイドです、もっとも…今出しているのはガイノイド(女性型)ですが」
くぃーん「面白い…ちゃんと予備はあるのだろうな?しらみつ」
しらみつ「大丈夫です、一人5個まで用意できました」
くぃーん「少ないな…始めろ」
両手にサイコパワーを集約し、過去の自分のデータに向かって手を差し出す。そして手を軽く握り締めると…
ベキッバキッバキィ!!
くぃーん「こんなものか…」
過去のくぃーんを模したコピーカプセルはとんでもない音を立てて基盤をむき出しにしながら破壊された!首はねじ切れ、胴体はグチャグチャに固められ、細かいパーツが随所から飛び出す
くぃーん「ふん…リミッターを外すか?」
まお「前回よりパワーは上がっているようだな」
シュトラ(スターミー?)「違う…狙いが大雑把…、ミクロレベルのサイコパワーの粒を集約。磁石のように引き合わせて物質を物理的に分解してる…」
ニーナ(ニドリーナ♀)「あー、マグネットボムみたいな感じ?」
シュトラ「そう…、僕しか見えてないけどくぃーんの周りに念力の粒が散布されてる…、もちろん今壊されたコピーカプセルにも付着してる…」
ジーパン(ズルズキン♀)「使途できてんのか?」
シュトラ「…余裕みたい、今余った分の粒を両手に集めてる」
ぼたん(ノクタス♂)「…だが決定的な弱点があるな」
まお「相変わらずリミッターを付けているのにも関わらず凄まじい物だ、これを知らぬ相手には滅法強いだろう、だがぼたんの言うとおりこれには決定的な弱点が存在する。レジーナ、我のタイミングに合わせろ」
そういうとまおはガベルハンマーをくぃーんに向かって思いっきり投げつけた!!
くぃーん「!」
それを感知したくぃーんは手をガベルの方へ向けた、だが
まお「今だ」
それと同時にレジーナが突風を起こす!それを感知したくぃーんは即座にテレポートし、難を逃れた。投げつけられたガベルハンマーはスタジアムの壁を貫通し、外まで飛んでいってしまった
いっこんぞめ(表)「なるほどね、言ってしまえば花粉とか粉と一緒だから風で吹き飛ばせるわけだ」
まお「反応速度は疎かになっていないようだな、自分の弱点も理解できている」
くぃーん「当然だ、私達超能力者はそれを知っておかねばならない。それを見抜く技術も、上回るだけの力も。時折エスパータイプの中には複合タイプに固執してこういったことが疎かになる輩がいる。単一だからこそ複合ごときには負けられない」
そこにはくぃーんの思うプライドの形があった、彼女は生まれ持って天才だ、できないことは何一つ無かった。エヴァン・ブラッド家の長女として生まれ、幼少にも関わらず自分の親を超える強さを持っていた、強すぎるその力は…「リミッター有り」で「ミュウツーと同レベルの」サイコキネシスが使えるとされる。リミッター無しの場合はミュウツーどころかメガミュウツーYを超えるらしい…
しらみつ「瞬発力も念力の威力も前回を大きく上回っています、後は…」
くぃーん「サイコノヴァのデータ…か?」
彼女の最大の必殺技、それが片手にサイコパワーを収集し、そのエネルギーを相手にぶつける技である「サイコノヴァ」。その威力は一撃で小さな村落程度なら壊滅に追い込み、ビルが並ぶ町並みでさえ廃墟に変え、自分の数十倍巨大な相手でさえ軽々と吹き飛ばす破壊の一撃だ。
しらみつ「…あまり気は進みませんが」
そう、このサイコノヴァ、あまりに強すぎ、攻撃範囲もバカにならず、一度巻き込まれれば不死身の相手でさえタダでは済まない。
くぃーん「私は構わんぞ…」
要は危険すぎて本人がその気でも迂闊にデータ収集ができないのだ
まお「…どうしたものか、こればかりは我も軽率に許可できんぞ」
下手をすればこのスタジアムはおろかカナズミシティが壊滅しかね無い。それが彼女の力。…もっともカナズミシティ程度ならこの場の12人の誰か一人だけでも軽く崩落させることは可能である。誰も気付いていない、知らないだけでどんな所にも爆弾は存在する、彼等のように普段はパワーをセーブして日常に紛れ、か弱き命を人知れず護るような集団だと強すぎるが故に本気のトレーニング、データ収集と言っても限界があるのだ。もしその力をフルに使うような機会に恵まれたなら彼等にとっては幸せ以外の何物でもないと同時にそれだけの力を出させるだけの大事件とも言える。過去に空間がねじれ、世界中の悪が結集した時も彼等はこのカナズミシティの防衛後、カントー地方ジョウト地方の二つを同時に守り抜いたことがある。尖兵が相手だったとはいえ(カナズミシティ、カントージョウト防衛)30分に満たない戦闘であり、彼等からすれば戯れに過ぎなかった。さらに遡り、ミアレシティを制圧したシャーヴァルとの戦いでは人質をとられて一度は撤退したもののその後の奪還戦では中心核となって敵と戦闘していたのは紛れも無く地組である。
まお「ふむぅ…強くなりすぎるのも考え物だな」
ドラゴ「悪い事じゃあないんだけどな、測定不能とかじゃやり様が無いぜ」
ニーナ「うっわあ、100m3秒だって、こんなに速くなってたんだ」
方やパンチ力測定マシンで測定不能を叩き出し、方や100m3秒とかいう生き物離れした身体能力に驚く一同。同じように測定マシンを蹴り飛ばしてそのまま穴を開けてしまったぼたん、耐熱服を消し炭にしてしまったいっこんぞめも複雑な顔をしている。それだけ彼等は強くなりすぎたのだ



ベノ(ニドキング♂)「で?これが報告書か」
ため息に怒りを重ねたベノが報告書をめくる。そこには一貫して「測定不能」の文字が随所に書かれていた、流石に雑にも程がある
まお「こちらとしても本気でデータ収集するには機材も環境も足りぬ、もっと良い機材は無いのか」
ベノ「お前らしらみつの作った機材ぶっ壊せたのか」
呆れ顔で珈琲を飲むベノは資料を纏めるとそれをデスク横のポストに投下した、このポスト、カオティクスの部屋に繋がっている、というかカオティクスの部屋はベノの部屋の真下である。
ベノ「この資料はとりあえず預かる。次の地方に行くまでに全員のデータもとりたいしな」
まお「兎組以外だろう?新生鍼組もか」
ベノ「おうよ、なんとか兎組に合わせられたらいいんだがなぁ…」
まお「我等はどこまで強くなればよいのだろうか…」
不意とまおがつぶやく、その一言は彼等にとって深い一言を意味する。
ベノ「野暮だな」
まお「ふっ…野暮よな」
だが彼等には答えが見えている。どこまで強くなればいいのか、そう聞かれたら彼等は答える。
まお・ベノ「「弱い奴等がやらなくていいことを代わりにできるくらい強くなれればそれで良い」」
まお「だろう?」
ベノ「だな」
つかの間の微笑だとしても、彼等は闇の中を進み続ける。代行者として


シリーズ物になりそうなこの本編、一応ですがサン&ムーン編も予定しております。それまでにほとんど終わらせたい。

次回予告

私に「才能」は無い、だから「努力」で見返した、その事で「恐れられる」なら私は甘んじてその「証」を手に取ろう。ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん。

次回 †MULTIPLE AIGIS† 第三話 -冥冥之志-努力家-


闇に踏み出すその足は勇気か、それとも…