teikokukagekidan’s diary

主にハーメルンに投稿してる小説の設定

†MULTIPLE AIGIS† ラグナの旅日記 第二十二話 青空

この物語は
ポケモン
小匙一杯のグロ要素
申し訳程度のサクラ大戦要素
を含みます。これがダメという闇の力の僕たちはとっととおうちに帰りなさい


〔トクサネシティ〕

ベノ「よし、解凍終わりだな」
水組のメンバーの氷を溶かしたベノたちはトクサネシティに居た。もうトクサネシティはほとんど水没してしまっている
ベノ「ラグナ…くたばってねぇだろうな…」



〔海底洞窟:海の棺桶〕

シャンガ「邪魔者は消えた、力も戻った…」
邪悪なオーラを携えシャンガは氷付けのラグナを尻目に海の棺桶から海上へと移動しようとしていた。だが…
シャンガ「’この身体’が施した術式か…これさえなければ…!!」
謎の結界のせいで出られずにいた
シャンガ「おのれ…」


〔???〕

ここは…どこだ…?

そうか…俺は…シャンガのぜったいれいどにやられて…

死んだのか…?氷は身体を貫いた、身体も包まれた、痛みも感じないほどに…

そして俺は…シャンガを…



もう…どうでもいいか…俺は…もう動けない…どうすることもできない…

まだ諦めるな

誰だ?

あたしの名はヴォルヴァ、本来ならシャンガと対を成す存在、ゲンシグラードン

ゲンシ…グラードン

まぁ今は肉体が無いんだけどな、シャンガに取り付いた邪悪な思念にこんな姿にされちまってね。本当ならえんとつやまにある『大地の棺桶』で眠りに付いてたんだけど…

そんな精神体だけなのに…どうして俺のところに…?

あたしとシャンガは対を成してこのホウエンの大地と海を均等に保つ存在。そのあたしはこんな状態、シャンガはあんな姿になってよ、このままじゃホウエンどころか世界が終わっちまう。そんな中アンタはシャンガのところに来て『殺す』ではなく『正気に戻す』ことを優先した、世界が危機に陥っているってのにもかかわらず…

当たり前だ、シャンガは…一人のポケモンである以前に俺達の仲間なんだ、殺すなんて偽善でも本人が望もうと本当はやりたくない…!

そこさ、あたしが評価してるのは

え…?

シャンガとあたしは姉妹も当然、そんなシャンガをあんたは救おうとした
。世界が危機だろうと仲間を救いたいってその気持ちに感動したのさ

俺はただ…これ以上大切な誰かを…失いたくない。もうたくさんだ、寿命じゃなく誰かに決められた
命なんてあっていいはずが無いんだ…!

あたしも賛成さ、だから…アンタにあたしのちからを貸す、それがシャンガに対抗できる唯一の手段、だから邪悪な思念は力を封印して眠りについていた邪魔なあたしを殺したんだろうね

教えてくれ…あんたの力があれば…シャンガは救えるのか…!?

結論から言うと無理だから殺して構わないよ、シャンガもそのつもりなんだろうね、だからここ(海の棺桶)に来たし入り口の水流をワザと激しくしたし最深部に結界も張ってるし逃がさずここで殺す気満々だねえ


…そうか…

落ち込むこと無いよ、万人を納得させる方法なんてありゃしない。あたしらが世界の為に取った行動だって現にアンタらを納得させれてないじゃないか。だけどそれは何もしない言い訳にならないしやらなきゃもっと多くの人を納得させられないじゃん

確かにな…、…、わかった。俺も改めて覚悟を決める。あんたらの…決死の覚悟、ふいにはしない!!

じゃあ、世界を頼んだよ、この力は一度っきりだから。絶対にしくじっちゃダメだよ!

あぁ!!




シャンガ「厄介な術式結界だった…だが…これで…!」

そこまでだ!!

シャンガ「っ…?」

声がしたのは…氷塊の中だった。その氷塊はひび割れ、とてつもない勢いで溶け出していた

シャンガ「何…!?」
その氷塊にΩ(オメガ)の文字が刻まれ、中に居るラグナが紅く光り輝きだした
シャンガ「まさか…!?」
ピシっ!!粉々になった氷は飛び散り、完全に溶けてしまった。水蒸気がモヤモヤと辺りを包み込み、晴れるにつれてラグナの姿が露になった、その姿は…!
シャンガ「っ…!!?」
ラグナ「俺はもう選んだぜ、シャンガ。もう迷わねぇ、本気でお前を…殺す、お前とヴォルヴァの思いを胸に!!もう一度この世界に青空を!!」
金色のラインを全身に炎髪灼眼のその姿、見た目は完全にゲンシグラードンを模していた
シャンガ「その姿…!」
ラグナ「今の俺は…俺は…!ソル・ラグナロク!!お前を殺す存在だ!!」
シャンガ「いくら強くなろうがこの肉体を完全に支配し力もすべて解放した、貴様など敵ではない…!」
何十にも重なったみずのはどうがラグナに襲い掛かった!だが…
ラグナ「…」
なんとかわすことなくみずのはどうは消滅した
シャンガ「っ…!」
ラグナ「無駄だ!お前の攻撃は俺に通用しない!」
シャンガ「おのれぇ…!」
うなり声を出しながら強引に結界を突き抜けようとするシャンガ、そしていよいよパリィンと音を立ててシャンガは海上に舞い上がった!
シャンガ「こうなったらこの世界を滅ぼしてやる…!」
そう言って巨大な水の球ができあがる、ただ集約したものとはいえ本土にぶつけられればひとたまりも無いだろう。だが…

ラグナ「やってみろよ、もう決着は付いてるぜ」
ソルラグナが大きく片手を天にかざした瞬間、シャンガに光の束が天より光来した!
シャンガ「この光は…!!?」
ラグナ「ソル!ゲイザアアアアアァァァァァーーーーー!!!!」
さらに光は倍加し、シャンガを包み込む、その規模はさらに広がっていく
シャンガ「だが…この程度では私は殺すことなどおおお!」
グサッ!!
シャンガ「…な……に…?」
胸に刺さった手、それは…シャンガ自身のものだった
シャンガ(これ以上は…!好きにさせない…!)
シャンガ?「き…さま…!!」
シャンガ(ヴォルヴァ…ラグナ…ありがとう…)
シャンガ?「ぐああああ!!!!」
その光の中で、シャンガの姿は消滅して行った…

ラグナ「…、終わったな、シャンガ」
上を向いたとき、ホウエンを包み込んでいた暗雲は晴れ、空には青空が広がっていった


次回予告
悲しい犠牲と引き換えに世界の危機は去った。失ったものはかけがえない仲間、手に入れたものはつかの間の平和、そして受け継いだものは…優しき思い。今、ラグナの旅が終わる

次回 †MULTIPLE AIGIS† ラグナの旅日記 最終回 終末の日


長きに渡った旅よ、さらば