teikokukagekidan’s diary

主にハーメルンに投稿してる小説の設定

てゐ国歌劇団スペシャル† wound that I will never forget 第一話 破滅†襲来

この物語は
てゐ国歌劇団の番外編
ポケモン
少しのグロ要素
申し訳程度のサクラ大戦要素
を含みます。これがダメという闇の力の僕たちはとっととおうちに帰りなさい

ピチョン...ピチョン...
???「雨漏りが相変わらず酷いな...、まぁ地下にあるから仕方ないだろうが...」
ここはてゐ国歌劇団カロス支部の牢獄。ここにはてゐ国歌劇団によって捕らえられた犯罪者が投獄されていた。今一人言を喋った『彼』もそんな牢獄に捕らえられた犯罪者の一人であった。だが...心無しか彼には他に投獄されている者とは明らかに違う雰囲気があった。『まるでいつでも脱獄できるかのような』余裕が見て取れた。
???「さて...14時38分...、そろそろだな」
そうつぶやくと『彼』は...堅牢な牢獄を
ガァン!!
『手慣れたように』簡単に蹴り破った
???「...、時間がない急ぐか」

コツ...コツ...、薄暗い牢獄に足音が響く中、その歩みは突然止められた
ナイト(キリキザン♂)「ん?何か聞こえなかったか?ゲキガンガー」
ゲキガンガー(ゴルーグ)「オマエガキコエタノダ、ワタシニキコエナイハズハナイダロウ」
この二人は
てゐ国歌劇団の組の一つ、戦組(せんくみ)の隊長であるキリキザンのナイト、副隊長であるゴルーグのゲキガンガーだ、今この二人は牢獄の見回りをしていた。てゐ国歌劇団の牢獄にはいくつかのフロアに分かれており、今この二人が見回りをしているフロアは特に危険な犯罪者が投獄されている。俗に言う『最重要危険監視下』レベルである。そのため隊長クラスが見回りをしなければ行けないのだ。彼ら以外にも見回りをしており、その隊長クラスでさえ止められない監獄者も中にはいる、そのため終止厳重な体勢が敷かれている。『たとえ小さな物音でさえ警戒しなければ行けない』
ナイト「位置は」
ゲキガンガー「ハイゴダ、ユダンスルナ」
この牢獄は薄暗く、入り組んでいるため地形を把握していないと迷子になってしまう、そんな中、彼ことゲキガンガーは赤外線モニターで暗闇の中でさえ対象を視認、熱感知レーダーで正確な位置が分かる。そしてナイトは刃物の扱いに長け、自在に操る事ができるほどの達人なのだ。
ゲキガンガー「ドウスル、イマナラマダレンラクデキルゾ」
ナイト「上に連絡するまでもない、ここで仕留めて牢獄にぶち込む」
二人は臨戦態勢に入ると武器を構えたまま敵に近づいて行く、ナイトは右手にナイフとチャクラム、左手に蛇腹剣を構える。一方ゲキガンガーはいつでもロケットパンチを放てるようにしている。そんな警戒をよそに、脱獄者は何も構えず、ただだらだらと歩いてきた、まるで徘徊するかのように
???「...ん?」
ナイト「覚悟!!」
まずナイトがナイフで切りにかかった、しかし脱獄者は表情こそ見せないもののちょっとした動作で身軽にかわしていく、決してナイトがへたくそな訳ではない、むしろ彼はてゐ国歌劇団でもっとも刃物の扱いに長けている歴戦の猛者である
???「どうした、攻撃のつもりか」
ナイト「ちぃ!!」
近距離は不利と感じたのかナイトは一度距離を取る、それと同時にゲキガンガーのロケットパンチが発射された。だが...
パシィイ!!
突如暗闇から出現した『それ』にゲキガンガーのロケットパンチは片手払いで撃墜されてしまった
ナイト「何っ!?」
????「弱い弱い!!さっきの奴より手応え無いじゃん!!」
ナイト「ゲキガンガー!!」
ナイトは焦った、暗闇から高速で現れた『それ』にも、『それ』が言った『さっきの奴より手応えが無い』という言葉に。これはすなわち、既に『他の隊長格が倒された事を指している』この言葉にはゲキガンガーもナイトに言われる前に焦ったのか呼び戻せるはずの右腕を呼び戻さずに足をたたんで出口に向かって飛び出した!
ナイト「でやぁああ!!!」
ナイトは飛び出してきた『敵』の腕に蛇腹剣を絡ませ、チャクラムを投げるととすぐに鎌を取り出して食い止めるように鎌で蛇腹剣の鎖部分を引っ張りだした、応援を呼ぶためにこの場で食い止めなければ行けないという考えはあまりに懸命で『焦りが見て取れた』
???「たらこ、遊ぶな。出口は彼方だ」
ナイト「っ!、しまった!!」
そう...、焦るがあまり、『敵に出口の方角を教えてしまったのだ』それだけではない、たらこと呼ばれた『敵』は蛇腹剣が絡まったままゲキガンガーを追うように飛んだ!!
ナイト「行かせん!!」
その静止を振り切るどころかたらこは『ナイトを引きずったまま』あっという間にゲキガンガーに追いついた
ゲキガンガー「!!」
たらこ(ボーマンダ♀)「へぇ...ここが出口かぁ...アタイら穴開けて来たから困ってたんだよね」
ニヤァと歯を見せながら笑うと腕に絡み付いた蛇腹剣に引っ張られた、ナイトだ
ナイト「い...行かせない!!、何があっても!!」
ズタズタになるまで地面に引きずられたナイトは血と傷だらけで立ち上がる、やはり隊長として失態を挽回しなければ行けないと思ったのだろうか、ここまで来ると執念を感じる。
ゲキガンガー「イッポオソカッタナ...!タッタイマキンキュウケイホウヲ...、...?」
????「緊急警報とやらは鳴らない、俺がブレーカーを破壊した」
あろう事か上に続く階段から大柄な鎧を着込んだような男が降りて来た、そして今はなった言葉は彼らを絶望させるには充分な台詞であった
ナイト「なんだと...!」
ゲキガンガー「バンジキュウストイウヤツカ...」
ナイトとゲキガンガーは背中を合わせながら目の前の『敵』と対峙する、ナイトはボロボロ、ゲキガンガーに至ってはメインウェポンの右腕を置いて来てしまっているのだ
たらこ「観念しなよ、殺しはしないからさ」
????「そうだ、少しの間大人しくしておけば死なせはせん」
ナイト「断る!!我らはてゐ国歌劇団だ!!例え自分の命を犠牲にしてでも!!」
ゲキガンガー「トウトイイノチヲマモルシメイガアル!!」
たらこ「バカだねぇ...ねぇステイル?」
大柄な男は『ふむ...』と頷くと両腕の鉄甲をガンガンとぶつけあった
ステイル(アイアント♂)「仕方あるまい、こいつらにも意地があるのだ。ところでたらこ」
たらこ「わぁってる...よっ!!」
たらこが開脚しながらジャンプすると来た方向から腕が飛んで来た、ゲキガンガーのロケットパンチだ、それは持ち主のゲキガンガーの元へ戻って来た
ナイト「行くぞ、ゲキガンガー」
ゲキガンガー「アァ、セナカハマカセタゾ」
そう言うとナイトは刀を二本構えた二刀流、ゲキガンガーは両腕のリミッターを外したのか腕から蒸気が吹き出していた


ミアレシティ

ベノ(ニドキング♂)「あ?ニーナは」
ジーパン(ズルズキン♀)「忘れモンだとよ」
ベノ「そうか...、ん?」
ジーパン「...てめぇ、ハンバーガーなんか買ってくんな!!酒買ってこいっつったろ!!」
ベノ「白昼堂々飲ませるわけねぇだろーが!!ポテトでも喰ってろ!!」
彼はこの物語の主人公、ベノホーン、そして...この酒を買ってこいと言ったのがこの物語のもう一人の主役、ジーパン。もちろん本名ではない
ジーパン「ったく...てめぇも相変わらず気の起かねぇ男だな」
バリバリとポテトを口に放り込みながらジーパンは愚痴を言う、こんな傲慢な態度もベノにとっては慣れっこなのだ。だから文句が言われてもいいようにポテトを買って来た
ベノ「うるせぇ、昔っからだ」
ハンバーガーを口にしながら聞き慣れたような返しをする。それはいかにも『長年の付き合い』であることが丸分かりであった
ベノ「それにしてもてめぇプー(仕事してない)見たいに見えるから外出時ぐらいはパジャマから着替えろよ」
ジーパン「うっせぇ、これが普段着だ。悪いかよ」
こうなればお互いにケンカの売り合いである。だがケンカする程仲が良いとも言える。こういった会話は長年の付き合いでないと成立しないからだ
ベノ「それにしてもおせぇな...」
ジーパン「ほっとけよ、どうせすぐ戻ってくらぁ」
ベノ「...、(ボソッ...)」
ベノが小声で何かをささやくとジーパンは飲んでいたコーラを吹き出してむせ返した
ジーパン「けほっけほっ...でめぇ何突然...!?」
ベノ「感じねぇか?」
ジーパン「何が...」
ベノの真剣な表情を見るとジーパンは悟ったように目を瞑った
ジーパン「...、アイツだな」
ベノ「行くぞ」
ベノはニーナの分のハンバーガーをボディバッグに入れるとジーパンと一緒に走り出した


てゐ国歌劇団カロス支部 金庫室

シャーリィ(バシャーモ♂)「まさか総司令直々に使命を受けるとはな...」
ジュリィ(ジュカイン♂)「ラグナの付き添いに抜擢されるなんてな、まぁ里帰り程度に考えれば...」
ここはてゐ国歌劇団の金庫室、ここには特別な許可無しに中に入る事はできず。貴重な物が多数補間されている。その金庫室の護衛をしているのはラグナロクの家族同然のこの二人、バシャーモのシャーリィとジュカインのジュリィである。この二人は近日、この金庫番の仕事からラグナロクの旅に付き添う任務が課せられ、この金庫番は今日で最後なのだ。だが...そんな彼らの前に、フードを被った『奴』が現れた
???「ここか...、ここだけは非常用の電源でブレーカーを落としても明るいな...」
もちろん不審人物である『奴』を放っておくわけにも行かず、二人は警告しながら戦闘態勢に入った。
シャーリィ「貴様!何者だ!!」
???「その中に用がある、どいてくれ、そうすればお前達に危害は加えない」
ジュリィ「どけと言われて...」
シャーリィ「従うようには育ってなくてな!!」
二人は先手必勝と言わんばかりに『奴』に襲いかかった、だが『奴』は避けるだけで反撃はしない
ジュリィ「シャーリィ!!」
シャーリィ「あぁ!!」
二人は『奴』を挟み込むように回し蹴りを放った!!しかし...
???「この程度か...」
防御する事無く、『奴』は身体で受け止めた、そしてすぐさま二人の頭部を掴むと一気に地面へ叩き付けた!!
???「許せ、傷つけたくは無い」
『奴』はそう言って金庫に足を進めると壁を小突いて強度を確かめた
???「ステイル」
ステイル「はい」
『奴』に命じられたステイルは金庫室の巨大な扉を探るように触り何かを感じ取ったように目を見開き
ステイル「でりゃあ!!」
扉を思いっきり殴りつけた!すると強固な扉は見る見る内にひび割れ、大きな音を立てて砕け、ガラガラと崩れた。
???「流石だな」
ステイル「恐縮です」
崩れた瓦礫を蹴りどけ、『奴』はまるで買い物にでも来ているように保管されている物を物色した、そして...
???「これか、最近見つかったというポケモンの力を引き出す石...」
『奴』はそれを見つけると光の反射を見るように金庫室の天井にあるライトに掲げた...
???「メガストーン...!!」
たらこ「リーダー!」
???「おぉ、たらこ、首尾はどうだ」
そう言うとたらこはニッコリした顔で『肩に乗せていたもの』を放り投げた
???「...、ベノ...」


ベノとジーパンが駆けつけたときには既に他のメンバーはそろっていた、だが...全員黒い人形の影のような物と戦っており、数では自信のあるてゐ国歌劇団が数に押されていた
ベノ「くそっ!」
ベノの首元にあるペンダントが光り、剣が出現した。ベノはそれを手に敵をなぎ払うように一振りすると空を裂いたような一線が影のような物を全て切り裂き、全滅させた。
ジーパン「ベノ...今のは...」
ベノ「だろうな...」
敵が居なくなった事で毒組のメンツがベノの元へ集って来た、加えてまおとアデアもだ
ラグナ(ラグラージ♂)「ベノっ!」
ベノ「何があった」
まお(ニドキング♂)「いきなりてゐ国歌劇団全体のブレーカーが落ちたのだ、すると今の影のような奴が現れて我らは外に出ざる負えなくなり、先程の光景だ」
アデア(ニドキング♂)「みんな怪我は無いみたいですけど...、戦っていてあそこまで不快な気持ちになったのは久しぶりです...」
ベノ「...、!」
その時、ベノは違和感を感じた、『一人足りない』
ベノ「おい!まおっ!!ニーナは!?」
まお「なぬっ!?貴様等一緒ではないのか!?」
???「探し物は見つかったか?『ベノホーン...』」
その声の主は毒屋敷(カロスでの拠点)のバルコニーに居た、今だフードを被っている。
ベノ「やっぱりてめぇか...!どけ!」
一声で周りの毒組やまおをどかせるとベノは一飛びして『奴』に襲いかかった
???「やめろ、お前は俺に勝てない...だろう?」
ベノ「知った事か!!」
???「これを見てでもか」
ベノ「!!、っ...!」
バルコニーからまた一飛び、降りて来たベノは悔しそうな顔をしながら...
ベノ「昔はそんなことしなかったじゃねえか...!牢獄で頭冷やしてりゃ少しは良くなると思ったが...むしろ逆効果だったか」
???「...、俺は俺だ、昔から何も変わっていない」
バルコニーの奥から現れたのは...
???「動くな、抵抗するならコイツの命は無い」
たらこの鋭い爪を首筋に据えられたニーナの姿であった。
まお「!」
ジーパン「ニーナ!!」
???「ん?その声...、そうか...お前も居たのか」
ジーパン「っ!でりゃあ!!」
ステイル「ふんっ!!」
ニーナを助けようと飛んだジーパンにステイルの一撃が炸裂し、ジーパンは地面に叩き付けられてしまった、それも背中を大きく打って気を失ったのかガックリと気絶してしまった
まお「ジーパン!おのれぇ...」
もみじ(ガーディ♀)「ベノ!あの銀色の...!!」
タマズサ(ハクリュー♀)「ウチらから『アレ』奪おうとした奴やよ!!」
それを聞いてベノの表情はさらに険しくなった、いや、『まるで今までの嫌な予感や出来事に合点ができたかのような』顔をした
ベノ「...やっぱりてめぇの差し金か...!」
???「...、抵抗は進めない。大人しく『ダークネスポケモン』になれ」
ラグナ「ダークネス...」
アデア「ポケモン...?」
ベノ「てめぇ!!正気か!!」
ジーパン「そうだ...もう...あんなこと...させ...な...い...!」
???「そうか」
『奴』がそういうと周囲にまた黒い影のような物が現れた、だが今度は人の形を保っている。
MEXさん(カメックス♂)「この形...ナイトさん!?」
ラグナ「どういうことだ...こいつらてゐ国歌劇団の隊長格と酷似しすぎだろ...!」
???「どうする、そいつらは『ダークネスコピー』コピー元のポケモンより遥かに強い、『何もベースにしていない影』でさえ苦戦したお前達が戦って勝てるとは俺は思えないな」
ベノ「...、この数はそうとう捕まったな...」
ベノ達はじりじりとビルの壁にまで追いつめられた、しかしその瞬間!!
ドオオン!!
とてつもない量の煙が周囲を包み込み、煙が晴れた時、ベノ達の姿は無かった
???「逃げたか...」


てゐ国歌劇団 地下施設
ベノ「はぁ...はぁ...助かったぞ...エクレール...」
エクレールレントラー♀)「ひー...肝を冷やしましたよ...、『特大煙玉』...持っててよかった〜...」
実は先程の煙、このエクレールが持っていた特大煙玉によるもの、加えて実はあの周囲には隠し通路があり、彼らは走って逃げて来たわけだ。
ベノホーン「全員居るな...?まお、アデア、点呼を取ってくれ」
まお「ニーナを除いて9人居る」
アデア「みんな、集まって」




ベノ「...よし、落ち着いたな」
ベノはため息を吐きつつ落ち着きを取り戻した
まお「さて...そろそろ説明してもらっても構わんだろう、彼奴は何者だ」
ベノ「説明は後だ、ここに長居はしたくねぇ。今から3つに別れ、それぞれにやってもらう事がある」
ベノは用意周到と言わんばかりに内のポケットから紙とペンを取り出し、薄暗い地下でちゃんと見えているかのように何かを書き始めた
アデア「それは...」
ベノ「アイツ等に対抗するための布石だ、まずこの地下施設にある地下鉄メトロンを使う。それでアデアが率いるメンバーは少し遠いがホウエンまで行ってもらう」
アデア「えっ、は、はい!」
ベノ「まお、お前達はクノエシティの地下に『アレ』できあがったんだろ?」
まお「無論だ、そこに行けば良いのだな」
ベノ「おう、で...ラグナ。お前達には敵を引きつけるためにポケモンの森に作ってあるアジトで待機しててもらう」
ラグナ「なっ...!?お前はどうするんだ!普通お前じゃ...」
ベノ「俺はまおと行動する、『事情があるからな』」
ラグナ「そうか...、わかった」
ベノ「...、気付いてたと思うが...シャーリィとジュリィが居た。あいつ等は金庫室の番をしてた。つまり『アイツ』は金庫室に寄っている」
まお「ということは...『彼奴は地下牢獄に投獄されていた脱獄犯』ということか」
ベノ「そういうことだ、加えて寄る必要の無い金庫室に寄っているという事は...」
アデア「...何かを強奪していった、例えば..『メガストーン』とか...」
ベノ「可能性はあるな...」
その時、ベノの頭に拳骨が飛んで来た
ベノ「イデぇ!?」
ジーパン「てめぇらグダグダしてんじゃねぇよ...感づかれたらおしまいだぞ...」
ぜぇぜぇ言いながらジーパンが警告する、この場所はミアレの北側、毒屋敷は南側に位置する。『同じミアレに変わりないのだ』
ラグナ「同じ地下でも牢獄(金庫室)は南側...地下からは急襲もできないしなぁ...」
ラグナが頭を抱えて悩む、この場所はあくまで移動の為の施設、だが逆に言えば『敵がこの場所を知ればカロスはおろかホウエンジョウトなどに進軍されてしまう』という大惨事を招きかねないのだ
ジーパン「...『アイツ』のことだ、おそらく『今でなくとも』ベノの考えてる事は全部お見通しのハズだ...今回は地の利はあわてらにあるが...」
ベノ「だろうなー、絶対どっかで邪魔されるだろうな」


ステイル「リーダー、どういたしましょう」



???「...、この地方の地図を見るに...ベノなら一番近い街から反撃してくる、例えば...『道中に長く生い茂った草むらや沼がある14番道路、その先にあるクノエシティ』だな」
ステイル「はっ、他の道路はどうしましょう」
???「4番道路に警戒態勢を引け、ミアレはノーマークで構わん、ベノの事だ、波状攻撃をしてくるに違いない、何せ相手は20数人だ、だがベノが3人〜6人に分ける訳が無い。おそらくほぼ均等に3つの組に分けるだろう、そう...見立ては『カロス発電所』か『フロストケイブ』『終の洞窟』『ポケモンの村』にしぼられるが13番道路は荒野だ、白兵戦になった場合不利だとベノはわかっている、この時点で発電所は候補から除外される、となると方向と場所が重なるフロストケイブと終の洞窟も除外、そうなれば...」
ステイル「ポケモンの村でございますか?」
???「だが村まで行くには迷路のような森を抜ける必要がある事を考えると正確には『ポケモンの村に続く森の中』となる。もちろん16番道路など見向きもされんだろうな」
ステイル「双方に追っ手を送らせます」
???「あぁ、頼む」

ベノ「この場所には戻らない、完全に封鎖する。金庫室と同じようにここも予備の電源で動いてるからな」
ルークス(ドレディア♀)「電力が少ないからこんなに薄暗いのね...」
ラグナ「違うぞルークス、ベノが電力ケチってるだけだ」
ベノ「うるせぇ黙ってろ、時代はエコだ」
まお「その割には今月の電気代がいつもより高いようだが?」
MEXさん「まお?まおの部屋の電力がいつも以上に多く消費されてるみたいですが?」
まお「ナーンノコトカナワカラナイナー」
口は災いの元とはよく言ったものである、そんな会話をしてるうちに地下施設は封鎖された、厳密にはまだ封鎖されてない所がいくつかあるがメトロン発射と共に封鎖するようにも設定できるようだ
ベノ「組み合わせは基本的に組だ、だが俺、そしてライラはまおの所に、そしてエクレールジーパンはアデアの所だ、アンペルト、すまんがライラを借りるぞ」
アンペルト(ライボルト♂)「おう、遠慮せずにこき使ったれ」
ライラ(ゾロアーク♂)「なんで俺なんだよ」
ベノ「突入する際、お前の能力で騙せるかもしれないからな、それを考慮したまでだ。他に質問はあるか?」
アデア「...」
無言でアデアが手を挙げた、まおも同じような顔をしている
ベノ「『アイツ』についてか...わかった、アイツは...「こんな所に隠れていたのか」」
突如背後から、ベノの台詞にかぶせるように声が響いた、『奴』だ
ベノ「なろぉ...」
ベノは突然現れた事に驚き、そう言いながらこっそり気付かれないようにラグナ、まお、アデアに何かを渡した
ベノ「そのフードいい加減取れよ...相変わらずあのまんまなんだろ?」
???「そうだな、いい加減『光』にも慣れた」
そう言うと『奴」はフードを投げ捨て、その姿をあらわにした、鋭い目つき、華奢な身体、そして...『砕けた角』
シャーヴァル(ニドキング♂)「自己紹介と行こうか...俺の名はシャーヴァル、見ての通りのニドキングだ」
ベノ、まお、アデアとは全く『何か』が違う、ニドキング、いや、その身に纏う雰囲気は『ポケモンにしてポケモンにあらず』そうとしか説明できない禍々しさがそこにはあった
ジーパン「てめぇ...」
フラフラとジーパンが前に出る、だがどこか彼女もおかしいことに他の仲間も気付いていた、『シャーヴァルほどでは無いにしても奴と同じような雰囲気を纏っていた』のだ
ジーパン「ニーナを...返せぇえええ!!!」
ジーパンはそう叫ぶとシャーヴァルに蹴りかかった、だがシャーヴァルは腰に掛けた刀を抜く事無く、かわしたり素手で対応する
ジーパン「シャーヴァル!!」
つばぜり合いのようにシャーヴァルは片手で、ジーパンは回し蹴りをギリギリとぶつけあう、しかし力を入れているのはジーパンのほうであってシャーヴァルは涼しい顔をしている
ジーパン「見損なった!人質を取るなんざぁなぁ!!」
シャーヴァル「お前は変わらんな、すぐ熱くなる、その分すぐに手を出さなくなった辺りベノの方は少しくらい成長したか」
シャーヴァルはそう言いながら自分を睨みつけながら仕掛けてこないベノを見ながらニヤリと笑った、その時!
シャーヴァル「!」
まお「っはぁ!!」
いきなり真後ろにまおが現れ、メイス状のハンマーで襲いかかって来た
まお「ほぉ、...面白い、どうやら久しぶりに楽しめるオモチャを見つけれた気がする...」
シャーヴァル「オモチャ...か...、オモチャの中には取り扱いを謝ると死ぬ事になるオモチャがあるのを知らないようだな」
まお「生憎、我はオモチャを大切に扱うタイプでな、自分の気に入った物は『壊れない程度』に遊び尽くすのが主義なのだよ」
まおは余裕でシャーヴァルに食って掛かる、その目は爛々とし、深紅の瞳は黒い青色の髪とは不釣り合いなのが返って狂気を感じさせた
シャーヴァル「なら俺と遊ぶ前に...お前が身を挺して逃がそうとしてる仲間に遺言でも伝えたらどうだ」
その瞬間、まおはスネたような顔をしながら舌打ちをした、ベノの言うとおりシャーヴァルは非常に頭が回る、だからこそ自身のウザさに自信があっただけにまおは残念そうにしていた
まお「お見通しという訳か...面白い...」
まおは一瞬で消え、またしてもシャーヴァルの背後に回った
シャーヴァル「中々面白い手品に免じてお前をメッセンジャーボーイにしてやる」
まお「ほぉ...」
まおは『ピクっ』と一瞬だけ怒りをあらわにした、プライドが非常に高い彼は自身が手紙扱いされた事をぐっとこらえ、耳を澄ませた。双方共に背中合わせ、殺そうと思えばやれる、だがまおは手を出さなかった、シャーヴァルに『敵意が無い事』が分かっていたからだ
シャーヴァル「今は見逃してやる、だが...もうじき世界は闇が支配する、止めたければミアレシティに来いと...」
シャーヴァルはそう言うと歩き出し、ダークネスコピーを召還した!!
まお「!?、貴様等!!逃げろ!!」
ベノ「急げ!」
カオティクスウォーグル♂)「またさっきの敵が!!」
ジーナ(バルジーナ♀)「ドコデモいいから逃げるがカチデス!!」
全員全速力で襲い来るコピー軍団から逃げ、とりあえずほぼ全員が電車の中に入った!
ベノ「アデア!ラグナ!聞こえるか!?後一分で発射する!発射したらトンネルを全員で破壊しろ!そうすれば追って来れない!!発射と同時に線路へのシャッターも閉じるようにした!!今のうちに火力バカをメトロンの後ろに並べろ!!」
アデア•ラグナ「了解!」
手慣れた手つきでメトロンの操縦室で説明しながら各自に指示を出し、発射に備える、後これていないのは...
MEXさん「まおっ!!」
まおだ
ベノ「あのバカ!」
ベノは電車から降りるとまおに群がるコピーを切り裂き、活路を作った
まお「すまぬ!」
ベノ「早く行け!!」
まおを先に行かせつつ、後ろに応戦して行く、そのせいでベノとまおの距離はみるみる離れて行ってしまった
まお「ベノっ!!」
その瞬間、メトロンは轟音を立てて発射してしまった、大きなディーゼル車なため、ゆっくりだが加速しながら全てのメトロンがホームから離れそうになっていた
ベノ「!」
ベノは焦りつつも敵をかわし、ホームに走った!!
まお「ベノっ!掴まれ!!」
そして...まおの手を握り、ベノはなんとか事無き事を得た。だがホッとしてはいられない、すぐさまトンネルを崩さなければ行けない
ベノ「うおおお!!!牙突天 猛毒斬(がついてん もうどくざん)!!!」
凄まじい音を立ててトンネルは崩れた、おそらく他のトンネルも崩せたのだろうか、しばらく凄まじい爆音が続いた
ベノ「っはぁ...っはぁ...、...はぁ〜...」
ベノはようやく一息ついた

ベノ「そうか、想定外のメンバーにばらけたか...」
アデア「はい、ですが最低限の条件であったメンバーが集まれたのは奇跡でしたね...」
ラグナ「まお、MEXさんが居なくても真面目にな」
まお「当然だ、今回は真面目に行かせてもらう」
ベノ「っと...バラけたメンバーはこんなもんか」

ベノ&まおチーム ベノ まお ジーパン ライラ RTYUA くぃーん レジーナ もみじ タマズサ シュトラ わかな 

アデアチーム アデア ゆきの ライフ アベリア あるま ドラゴ しゅヴぁる カオティクス ラピス エクレール

ラグナチーム ラグナ MEXさん このか アンペルト ルークス ぷりん らんまる ぼたん


ベノ「唯一のミスはジーパンがこっちに来ちまった事だな...」
エクレール「それならベノさん、ショウヨウで私が降りて迎えに行きます」
ベノ「頼む。アデア、おそらくシャーヴァルの事だが...ショウヨウに手を出していないと思うが気をつけろよ」
アデア「はい、もしもの場合食い止めます」
ベノ「ラグナ、お前もだ、アジトなら周囲の敵の反応が分かるが囮に気をつけろ、気付かれないという保証は無いんだからな」
ラグナ「あぁ、了解した」
まお「ともかく第一の目標はミアレ(毒屋敷)、及びニーナの奪還だ」
ベノ「あぁ!!行くぜてめぇら!!てゐ国歌劇団!!出撃!!」
そのベノの声に、全員は力強く応えた


次回予告
シャーヴァル「そうそう上手く行かないのは人生もゲームも同じだ」
ベノとシャーヴァルは手を組んでいたかもしれない、この一言が彼らの固い絆に亀裂を入れる、見通される作戦。待ち伏せる驚異。次第に薄れ行く『信頼』の文字。だが、もしもこの疑心が自分一人の思い込みであればと彼らは切に願う、誰を信じれば良いのか、その心は砕けるか。それとも...


次回 てゐ国歌劇団スペシャル† wound that I will never forget 第二話 仲間との罅/日々

てゐ劇三組に波乱の嵐!!お楽しみに!