teikokukagekidan’s diary

主にハーメルンに投稿してる小説の設定

てゐ国歌劇団外伝 たらこ:初めての体験

この物語はてゐ国歌劇団の番外編、ポケモン、申し訳程度のサクラ大戦要素を含みます、これがダメという闇の力の僕たちはとっととおうちに帰りなさい





たらこ「むうううう...」
彼女はたらこ、漢字だと「多良子」らしい、種族はボーマンダ、メタなことを言えばこのシリーズ唯一の(レギュラーメンバーなら)600族だ、今彼女は悩んでいた、それは...
たらこ「お金が無い...」
新生鍼組は最近正式に活動を開始したため支給される資金のほとんどが現在活動資金に回されている、こういう所は俗にいう「組を大きくしたきゃ自分でやれ」ということの現れなのだ、あの(ガメツい)エクレールも自身の給料のほとんどを活動資金に回している(毒組分の給料も)
たらこ「あー...どうしよー...」
いくら戦闘狂の彼女でも人間の年齢にすれば17才程度、何かとお金が必要な歳なのだ
たらこ「あれ欲しいんだけどなぁ...」


きっかけは些細なことであった
れんが「そう言えばたらこ先輩寒くないんですか?」
彼女の服装は戦闘に特化しており、非常に軽く、動きやすい、そのためかなりの薄着なのだ
たらこ「え?寒いけどいいじゃん、動きやすいし」
れんが「あーダメですよ、女の子なんだからもっとおしゃれに気を使わないと」
たらこ「そんなもんかなぁ...」
れんが「たまには気分を変えてみましょうよ、大体恥ずかしくないんです?そんなアラビアンみたいな格好ここじゃ似合いませんよ?」
たらこ「そこまで言うか」


たらこ「はぁ...アタイそこまでセンス無いかねぇ...」
キサラギ「...なんでくるんですか」
たらこ「なーなー、キサちゃーんー」
キサラギ「(うぜぇ...)...離れてください熱いです」
たらこ「アタイの服装どうよ?」
キサラギ「(知るか...)...氷ぶつけたら死にそうですね」


たらこ「あそこまで言われるか...」
エレッサ「あー」
たらこ「どうよ!この服装!」
エレッサ「あー」
たらこ「バカにしてんのか」


たらこ「ダメ...このままじゃどうすればいいかわからないー!おしゃれってどうすればいいのー!!誰か教えてよー!!」
シャーヴァル「何をわめいている」
たらこ「あ!リーダー!」
そこに現れたのはシダケタウンのヒーローでもあり、鍼組の隊長でもあるシャーヴァルだった


シャーヴァル「だったら簡単な話しだ、正々堂々働けばいい、俺もそうしていただろう」
一応知らない人のために言っておこう、シャーヴァルはてゐ国歌劇団における立派な「悪役」である、ただ卑怯を嫌い、仲間を大切にする愛と正義と平和を護る悪の使者なだけである
たらこ「でもどうすればいいの?働くっての」
シャーヴァル「そうだな...ちょうどいい機会だ、付いて来い」

シャーヴァル「ここは俺が表上活動拠点にしようと建築した「喫茶店 灸都(きゅうと)」だ、ここで従業員をお前達から抜粋するつもりだったが...たらこ、今回のことも加えてお前を抜粋しよう」
たらこ「いいの!?」
シャーヴァル「ただし、覚えてもらう事は山ほどある、元々お前ではなくれんがやキサラギトットッパを選ぶつもりだったからな」
たらこ「がんばる!!」

シャーヴァル「お前には接客をしてもらう(食器を割る事が目に見えているからな...)」
たらこ「はーい!」
シャーヴァル「元気がいいのはいい事だがお前には敬語を覚えてもらわなければいけない」
たらこ「何それ」
シャーヴァル「敬語とは簡単に言えば丁寧口調、やさしくわかりやすく相手より下の目線で話す事だ、そうだな...例えば呼ばれたらどうする?」
たらこ「?、応えたらいいんじゃないの?」
シャーヴァル「それでは40点だ」


一時間後


たらこ「げへー...疲れた...」
シャーヴァル「どうした、威勢がいいのは戦いだけか戦闘狂」
たらこ「まだまだ!」
たらこはかなり負けず嫌いな所がある、的確には負ける事を恐れているのだ、忘れてはいけない、彼らは「野生」なのだ、自分のことは自分でやれなくてはいけない、トレーナーというしがらみが無い彼らには「エサを運んでくれる存在」も「戦いの道具にされる事」も無い、だからこそ自分の力で生きる必要があるのだ。シャーヴァルはその「野生」としての本能を知っているからこそワザと煽るのだ

シャーヴァル「今日はこれまでだ、明日もやるぞ」
たらこ「はいっ!」
シャーヴァル「いい返事だ、上出来だな」

シャーヴァル「さて、今日は発表がある。近日活動拠点として喫茶店 灸都を開店する、その従業員をこの8人の中から抜粋した、これを見てくれ」


カウンター:シャーヴァル トットッパ エレッサ
ウエイトレス:たらこ キサラギ れんが
台所:ステイル エルッタブ クラッパ

シャーヴァル「異論はあるか?」
トットッパ「恐れながら...」
シャーヴァル「どうした、トットッパ」
トットッパ「えっと...エレッサさんはなぜカウンターなのでございましょう?シャーヴァル様...?」
シャーヴァル「わかるだろう、台所とウエイトレスを任せたら一日で店が潰れる」
エルッタブ「では質問です、なぜ俺は台所なのですか?」
シャーヴァル「前日のお前が作ったロールキャベツがとても美味しかったのでな」
クラッパ「僕ちゃんはなんでだです?」
シャーヴァル「お前には台所などで役に立つ物を作ってもらいたい、他に誰か居るか」
エレッサ「あー」
シャーヴァル「オヤツは冷蔵庫の中だ」
れんが「(今さっきお昼御飯だったのに!?)」


たらこ「リーダー!」
シャーヴァル「なんだ」
たらこ「ありがとうございます」
シャーヴァルが振り向くとそこにはキチンと頭を下げ、礼儀をわきまえたたらこの姿があった
シャーヴァル「(フッ...)忘れるな、礼儀正しくなっても自分らしさだけは失うな」

後日...

れんが「本当にいいんですかぁ...?」
たらこ「いいから早くしてよ、開店時間に間に合わないじゃん」
れんが「知りませんからねぇ...?」


シャーヴァル「そろそろ開店だが...たらことれんがは何処だ?」
キサラギ「...ちょっと野暮用だそうです」
たらこ「ごめんなさーい!遅れました!」
シャーヴァル「遅いぞ!何をして...いた?」
駆け足で駆けつけたたらこの髪は短く、ショートボブになっていた



FIN