teikokukagekidan’s diary

主にハーメルンに投稿してる小説の設定

てゐ国歌劇団スペシャル† wound that I will never forget 第五話 未来と過去と今(これ)からと

この物語は
てゐ国歌劇団の番外編
ポケモン
少しのグロ要素
申し訳程度のサクラ大戦要素
を含みます。これがダメという闇の力の僕たちはとっととおうちに帰りなさい



前回のあらすじ、脱獄した最強のダークネスポケモン、シャーヴァルによってべノは妹のニーナをさらわれ、ミアレシティもゴーストタウンと化してしまった、だがシャーヴァルの目論みを阻止する為、てゐ国歌劇団は一度撤退、反撃のチャンスをうかがっていた。だがシャーヴァル側にも正義はある、二つの正義が激突せんとする中、ベノホーンジーパンシャーヴァルの三人はそれぞれ自分の未来過去を再認識し、覚悟を決めた!


現在のチーム編成
ベノ&まおチーム ベノ まお ライラ RTYUA くぃーん レジーナ もみじ タマズサ シュトラ わかな 

アデアチーム アデア ゆきの ライフ アベリア あるま ドラゴ しゅヴぁる カオティクス ラピス エクレール ジーパン

ラグナチーム ラグナ MEXさん このか アンペルト ルークス ぷりん らんまる ぼたん





現在地:ポケモンの森付近、秘密基地

〔早朝の戦い〕


ラグナ「…、五時四十四分、異常は無いか?」
早朝早く、先ほどのベノたちと通信から一時間ほど、ラグナ率いるチームは周囲を警戒していた、ベノの予想では、ほぼ100%、シャーヴァルが伏兵を潜ませているらしく、早朝と共に攻めてくる可能性が非常に高いという。
ぼたん(通信)「こちらぼたん…異常は無い…」
アンペルト(通信)「アンペルトじゃ、トラップに掛かった様子も無い、じゃがさっきから妙な臭いがしちょる」
ライボルトである彼、アンペルトだけが何かの匂いに気がついた、彼は種族のこともあり、非常に鼻が良い、地底であろうが強風の中であろうがお構いなく匂いを察知できるほどだ
ラグナ(通信)「その臭い、何かわかるか?」
アンペルト「…なんじゃ、どこかで嗅いだ事があるけ…」
彼は臭いの正体を思い出そうとする、すると急に真上が眩しくなった、太陽が昇ってきたのだ
アンペルト「眩しいのぅ、寝不足が効いとる…こんな姿をライラに見せたら老眼鏡でも買えと言われそうじゃ…」
大きなあくびをしながら朝日を浴びる彼はこんな言葉遣いだが人間にあらわすとまだ21歳ほどの青年である、昔お世話になった人物の喋り方が移ったらしい
アンペルト「寒いのぅ…秋とは思えん」
ラグナ(通信)「ホントだよな、ヒーターやストーブが恋しくなる季節だよな」
アンペルト「まったくじゃ、特にわし等親子はヒーターが無いと眠れん、もうちょい防寒整備が整えばええんじゃがのぅ」
ラグナ(通信)「そこは副指令(俺)じゃなくて総司令(ベノ)に言え、そもそももうすぐ嫌でも熱くなるから我慢しろ、燃えるような暑さがお前らを待ってるぞ」
そう、実はてゐ国歌劇団はもうすぐホウエン地方支部を移し替える、バトルのメインとなる流行の地方を視察、安全や生態系などをチェックするのもてゐ国歌劇団の仕事である、そのため彼らは一般トレーナーより少し早く各地方に行くことが出来るのだ
アンペルト「燃えるような暑さのぅ…さては今年の冬にヒーターを出さないことによる節約じゃな?せこいのぅ」
ラグナ(通信)「安心しろ、ホウエンの夜は寒い、だからヒーターが無くなる事は無い、できれば燃料代を考慮して節約したかったがな」
アンペルト「不景気じゃのぅ?カロス地方も見納めか?」
ラグナ(通信)「散々ドンパチやったし何だかんだ楽しかったろ、それにこれが最後の任務と思えばいい、世界は俺たちが護る」
他愛の無い会話から一変、ラグナのその言葉に全員の気が引き締まる、その瞬間
アンペルト「!!、ラグナ!!今すぐ基地から出ろ!!」
いきなりアンペルトが血気盛んと言わんばかりに通信機に叫ぶ!それと同時に彼は基地の方向へ走り出した!
ラグナ(通信)「どうした!?」
アンペルト(通信)「ええから出ろ!!死ぬぞ!!」
ラグナ「わ、わかった!」
基地内に居たのはラグナ、MEXさん、ぷりん、ルークスの四人だ、他の四人は外を見回っている。急いで四人は非常口から外に出ようとする。だがそこでラグナは急転回し、開閉できないタイプの窓に走った!
ラグナ「窓から出る!MEXさん!!」
MEXさん「はい!熱湯!!」
この窓は強化ガラスになっている、そのため簡単には割れない、だが二人はこの状況下で緊急用の割り方を知っている。それは熱湯などによって高温となった窓に
ラグナ「ぷりん!冷凍ビームだ!ルークス!割れたら花弁の舞の風で破片を吹っ飛ばせ!!行くぞ!冷凍パンチ!!」
急激な冷気で冷やす事で割れやすくする方法だ、意図通り粉々になって砕けた窓ガラスをルークスが吹き飛ばし、四人は安全に窓から脱出した、その瞬間、
ラグナ「間に合え!!」
なんと秘密基地が大爆発を起こしたのだ、それも普通ではない、綺麗に基地の後が残ったのだ。
ラグナ「内部に居る俺たちを大火傷させりゃあ殺した事にはなんねぇよな!本当に手段を選らばねぇんだな!!てめぇら!!」
爆煙を振り払い、ラグナは爆弾を仕掛けたと思われる人物に怒鳴りつける、そう…ステイルだ
ステイル「よく無傷で居られたものだ、大人しく負傷しておけば良かったものの…」
ラグナ「俺のような奴が守るの技を持ってちゃおかしいかよ、それとご丁寧にドアノブに爆薬と信管もセットしてやがったな?危うく死ぬところだったじゃねぇか!」
ステイル「腕が吹き飛ぶ程度に調整しておいた、リーダーが殺せと命じておられていたらもっと早く貴様等をこの基地ごと爆殺していた」
ラグナ「シャーヴァルの人徳に感謝するぜ、殺さずなら死ぬ心配がねぇか」
四人が戦闘態勢に入る、だがダークネスポケモンとしての自信か、ステイルは一向に動こうとしない
ラグナ「知ってるぜ、ダークネスポケモンのことはよ、死なないことだけがご自慢なんだろう?」
ステイル「貴様らもダークネスポケモンになればわかる、生きていることの素晴らしさ、命の重さを」
ラグナ「そこまで言うならこんなこと止めたらどうだ?てめぇらのせいでカロス地方が寂しくなってるもんでな」
ステイル「リーダーの望む世界の為に俺はあの方に従うだけだ」
ラグナ「知ってるか?人の為と書いて偽りって読むんだぜ」
お互いに手を出さず、ひたすら言い合う、ラグナとしては話し合いで解決できるなら穏便に済ませたい、だがそれも不可能に近いだろう、仕方なくラグナはため息を付き、手を上げる
ラグナ「穏便に済ませたかったが…お前の意志の強さも忠誠心も尊敬に値する、だがな、それは自分たち以外の誰かを傷つけて良い事の言い訳にはなんねぇ、そして俺たちはそれを見過ごすわけには行かねぇ、悪いが実力行使で行かしてもらう!」
ラグナが手を振り下げた瞬間、草むらからぼたんとアンペルトが飛び出し、続いてらんまるとこのかもゆっくりと着実にステイルを囲みこんだ
ラグナ「遠慮すんな!やれ!!」
アンペルト「かみなり!!」
ぼたん「種爆弾…!」
このか「吹雪!!」
らんまる「ハイドロポンプ!!」
副指令であるラグナの号令で、ステイルを囲む四人が一斉に技を繰り出す!それは見事にステイルに命中した、だが…
ステイル「…この程度か、他愛も無い」
あっさりとステイルは耐え切って見せた、いや…
ラグナ「こいつ…種爆弾以外を全部避けやがった…!」
避けられていた、命中した種爆弾も当たったが全てあしらわれていた
ステイル「悪いが…こんな見た目と図体だからといって大技を打ち込むのはバカのすることだ」
アンペルト「さっきの時限爆破といい…頭は回るようじゃの!」
ステイル「ほう、貴様が知らせたのか」
アンペルト「最初は眠すぎて解らんかった、じゃがラグナとの会話で思い出したんじゃ、オイルの臭いを」
ステイル「昨晩から臭いを数倍に薄めた物を撒いていたというのに…よく解ったな」
アンペルト「おどれが虫眼鏡かなんかを利用して朝日と共に引火させたんじゃろうが、薄めても燃える臭いは薄まらんかったのが運の尽きじゃの」
ステイル「名答だ、さすがリーダーが警戒しろとおっしゃっただけはある」
ラグナ「さあ、どうする?お前一人で俺たちを相手するか?」
攻撃こそかわされたが数ではこちらが有利、相手はステイルのみ、他に敵は居なかった。
ラグナ「殺せねぇんだろ?だったら俺たちはてめぇをボロカスにして立ち上がらなくなるまで立ち上がってやるぜ?」
強気にラグナが言い放つ、だがその時…
ステイル「んっ?すまん、電話だ」
ラグナ「あ、あぁ、すまん」
ついつい仕事癖でラグナは電話を許す、まぁ支障は出ないだろうし一般的なマナーと思ったのだが…
ステイル「はい、わかりました、では…」
ピッと電話を切ったステイルはラグナの方を向いた
ステイル「すまん、待たせた」
ラグナ「いや、それでなんだったんだ?シャーヴァルか?」
ステイル「あぁ、悪いが緊急事態だ。貴様等の相手をしている暇が無くなってしまった」
そう言ってステイルは拳を勝ち合わせて地面に衝撃波を流し込む!それはラグナたちの背後に回りこみ、影に入り込んだ!
ぼたん「っつ!影が…!」
このか「形に…!」
そして影は立体の形に変形し、ラグナたちそっくりになった
ルークス「私たちの偽者ってわけかしら…?」
ラグナ「これは…以前シャーヴァルが作った隊長格のコピーか…!」
ステイル「そのとおりだ、その名もダークネスコピー、リーダーよりお借りした力によって貴様等の影を模った物だ、貴様等と同等の力に加えてダークネスポケモンとしての力を合わせ持つ!」
それだけを言うとステイルは素早くその場から離脱し、その場にはラグナたちとラグナたちの影だけが残り、影はそれぞれのコピー元に襲い掛かった!
ラグナ「こいつらを倒してアイツを追うぞ!」
自分と戦う異質なシチュエーションに少しやり辛さを感じながらもラグナ達は自分の影に立ち向かう!互いの攻撃が迷いの森に木霊する、眩しい朝日に似合わない戦いが晴天の元行われていた…

現在地:ミアレシティ、空港

〔遠路遥々咲き誇る桜の花吹雪〕

たらこ「そんな…ダークネスコピーが…!リーダー!予想以上にコイツ等強いんだけど!?」
シャーヴァル(通信)『焦るな、ステイルを向かわせた。もうしばらく応戦しろ』
そこでは…突如飛来したジェット機から現れた六人がダークネスコピー(隊長格)をあしらうという異質な光景が広がっていた。駆けつけたたらこもあまりの強さに驚くばかりだ。
たらこ「そんなこといっても…!こんな強い奴が何で封鎖した空港から来るのさ!?」
シャーヴァル『(たらこが戦慄するほどとは…!だが俺は司令塔として動けない。すまない…もう少し耐えてくれ…!たらこ!)焦るな!相手は六人だろう!?そいつ等の影を使え!』
たらこ「それが…、効かないんだけど…!?」
シャーヴァル『仕方あるまい…、追加の影を送る!もうしばらく耐えろ!』

???「いいねぇ、数年ぶりに集まっての旅行先にこんなサプライズなんてねぇ…腕が鳴るじゃん!!」
???「…あまり調子に乗るな、変わらんな、お前は」
???「久しぶりの再開なんだから仲良くしなきゃダメでしょ?」
???「…でも手ごたえが無さ過ぎる…、余裕は大事」
???「キャハッ!すごいよコイツら!ボコボコにしたら消える!サンドバッグみたい!!」
???「人形さんかしら?それにしては魂が感じられないわね…もう少し私の子みたいに豊かだといいのだけれど…」
その六人は、喋りながら迫るコピーを淡々と蹴散らし、まるで蹂躙するかの如く歩みを進める、その歩みに迷いは無く、黙々とたらこに迫る
たらこ「っなろっ!!『メテオ・エクスプロージョン』!!」
焦るたらこは一同に必殺技を放つ!だが…
???「何それ、線香花火みたいだね」
リーダー格と思われるシニョンの女性が隕石を叩き壊す、空港は使い物にならないほど大破したが今やゴーストタウン、被害など幸いだが実質無いに等しい
たらこ「なんなのさお前等っ!?」
すみれ(リザードン♀)「『八重桜』、最近の子は知らないか」
彼女たちは、かつてカントー地方で最強と言われた歴史上最も最初に『ポケモンのみで』ポケモンリーグを制し、数々の伝説を残したとされる伝説のチーム、『八重桜』。その実力は現在を見れば一目瞭然、てゐ国歌劇団でさえ(人質が居て影が味方の形をしていたとは言え)苦戦したダークネスコピー、たらこを容易く一蹴するほどの実力者たちである
クチナシオコリザル♀)「…まぁ活動していたのが約七年前だから仕方ないか…」
くるみ(ニドクイン)「仕方ないかしら、まぁやりたいことやるだけやって故郷に散り散りになったから仕方ないかな…」
あじさい(シャワーズ♀)「…その後みんな世帯持ったから尚更ね…」
スズラン(カイロス♀)「キャハッ!あじさいとすみれだけだもんね!結婚してないの!」
ヒイラギ(ガルーラ♀)「スズランちゃん、一応私もよ。それとケンカの元になるようなこと言わないの、あなたももうお母さんでしょ?」
あじさい「ほんと…なんでこんなポンコツド近眼が結婚できたんだろ…不思議でならない…」
すみれ「いいじゃんか、アタシにはやる事あるんだから!結婚なんて後々!!」
そう言ってたらこの顔面を壁に蹴りつける、ほぼ一方的だ
たらこ「ぐ…が…」
すみれ「お嬢ちゃんタフだね、さっきから不思議な人形も出すし」
たらこ「こんな奴らに…アタイが…」
みしみしと音を立てながら冷たい壁にたらこは顔面を足で掴まれながら突きつけられる、これほどの強い敵が居ることに若干のトラウマを覚えながら彼女は気絶してしまった…
すみれ「ありゃ、力抜いてたのに気絶しちゃった」
クチナシ「やりすぎ、普通なら警察沙汰だぞ…」
くるみ「でもこの雰囲気だと…警察って訳じゃ無さそうよ?」
すみれ「おっしゃ、普通の旅行もつまらないしさ、いっちょ久しく暴れますか?」
あじさい「…賛成」
すみれ「相変わらずいい子だなあじさいは」
すみれが頭を撫でるとあじさいは照れてしまった、因みに彼女たちの年齢は明かせないが全員『現在は』酒を飲める歳だということだけは言っておこう
ヒイラギ「それじゃあ行きましょうか、ちょっと護衛として…『リーエス』『プルルス』」
彼女が指を垂らすように構えると何処からともなく小さな人形が現れ、彼女たちの周りを旋回する
スズラン「いっくぞー!」
すみれ「それアタシの台詞だから!盗るなスズラン!」
まるでピクニックにでも来ているかのように彼女たちは空港を後にした

現在地:てゐ劇内部、通信室

〔来襲-イレギュラー-〕

シャーヴァル「たらこ!応答しろ、たらこ!」
先ほどから一向に繋がらない、それはシャーヴァルを珍しく焦らせた。牢獄に放り込んだ隊長格が脱獄するかもしれないと予想はしていた、だがまさか閉鎖状態の空港から、それもたらこをも恐怖させる存在が現れたからだ。これにはシャーヴァルも焦りを見せる、それがベノたちでないから尚更正体が分からない。それが今現在もっともシャーヴァルを焦らせる
シャーヴァル「このままでは…!おやっさんとの約束が!いや…落ち着け、これ以上の損害を出さないためにも俺が直接食い止める!世界を敵に回してでも俺は平和を勝ち取ると約束した!その平和を乱す奴は誰であろうと許さない!」

現在地:まおの隠れ豪邸



ベノ「ラグナと連絡が取れねぇ…ってこと戦闘開始か、行くぞ」
まお「どうするのだ?」
ベノ「シャーヴァルのやろうのことか?」
まお「それもある、だが一番の要因はどうやって反旗を翻すか、だ。我々はニーナを人質にされているという事実がある。もしシャーヴァルが殺さないと言ったところでそれを鵜呑みにしてよいとは我は思わん」
ベノ「確かにな、だがよ…こっちにも切り札はある、地下に囚われてるらしい格組の隊長やメンバーだ」
そう言ってくるくるとベノが何かを取り出す、それは…
まお「貴様…!それはマスターキーではないか!」
ベノが取り出したのはてゐ国歌劇団全体の鍵ならどんな鍵でも開けれるマスターキーだった、これは世界に一つしかなく、普段はベノが書斎に仕舞いこんでいるはずだったのだが…
まお「何時の間に…」
ベノ「実を言えば俺は薄々だが…シャーヴァルが脱獄することがわかっていたのかもしれねぇ、てゐ劇を壊しかけた日の夜だ、いつもとは違う何かを感じて以来、俺は今に至るまで肌身離さず、ずっと所持していた。カンが当たったまでだ」
まお「貴様のカンは良く当たるが…ここまでとは感服の極みだな」
ふふっとまおが笑う、それの笑顔はいつもの厳格なまおからは想像もできないほどさわやかな笑顔だった(いつもはまさに魔王と言った笑い方)
ベノ「ありがとよ、さあて…」
まお「準備はできている、後は…」
ベノ「すまねぇな」
まお「なぜ運転免許を失くすのだ!愚か者!!」
ベノ「本当にすまねぇ…」
早朝、まおの豪邸にある車でミアレまで行こうとしたベノ&まおチームだが…運悪く運転免許を持っているのがベノのみ(免許持ちのMEXさんとドラゴが別のチーム、他にはラグナにアンペルト、あるまが持っている)、そのベノが運転免許を紛失するというバカをやらかしているのが現在である
まお「昨夜(数時間前)まではあっただろうに!てゐ劇でもっともおバカで通っている我よりバカとは貴様は阿呆か!!」
ベノ「自覚あるんなら月一の隊長会議に遅刻すんじゃねぇよ!!」
仲良し子吉の罵声の飛ばしあい、完全に団栗の背比べである

数分後

ベノ「すまん、見つかった」
もみじ「どこにあったの?」
ベノ「コートのポケットん中…(べノのイラストで左胸にあるところのアレ)」
わかな「予定より三十分ほど遅れています、迅速な対応をお願いします」
ベノ「おう、しっかりシートベルトしろよ」
まおの豪邸に配備していた車はかなりの大型車で、『この人数(10人)が入ってまだ空きがある』ほどである。そりゃそうだ、10人もまともに乗れない車などてゐ劇三組からすれば廃車も同然だからである
ベノ「行くぜ!しっかり捕まってろよ!!」
思いっきりアクセルを踏んで一気に飛ばすベノ、端から見れば完全に暴走車、警察のお世話になっても足りないくらいの荒っぽい運転だ
もみじ「あががががががが…」
RTYUA「ごばばばばばばば…」
ベノ「喋るな!舌噛むぞ!!」
クノエシティから大爆走をしてあっという間にミアレシティの関所に着いた、だがここで止まるベノではない
ベノ「しっかり掴まってろ!!このままてゐ劇に行くぞ!!」
まお「きさ、ま゛っ!?。っうう~!!」
ベノ「舌噛むっつったろ!!」
関所を強引にぶち破り、そのままてゐ劇めがけて車を勢い良くぶつけた!!ガシャーンと大きな音を鳴らしててゐ劇の入り口には大きな風穴が空き、凄まじいブレーキとともに車は何回か回転しながらも無事(?)停車した
ベノ「行くぞ!」
まお「まふぇ!ふぇの!(待て!べノ!)」
ベノ「なんだ!?」
もみじ「とばじず…うっぷ…」
当然といえば当然だがべノ以外の全員が車酔いによってダウンしていた、そりゃそうだ
ベノ「手洗いはあそこだ!やめろ!ここでするな!!次の掃除当番は俺なんだぞ!!」


5分後


ベノ「これで全員か?」
タマズサ「まだ頭がクラクラして気持ち悪いで…」
シュトラ「これならサイコキネシスで浮いていればよかった…」
くぃーん「全くだ、うっぷ…」
ベノ「いやぁすまねぇ、ついつい…」
まお「貴様よくもあんな荒っぽい運転を…うっぷ…して平然としていられるな…」
ベノ「戦場でジープとか戦車乗り回してたら自然と身につくし慣れるぜ?」
まお「お断りしよう…乗り回すのはゲームの中だけにしておく…」
ベノ「さて…いいか?手筈通りに二手に分かれる、俺についてくる奴とまおに付いてくる奴で別れる。行くぞ!」

ベノチーム

ベノホーン
もみじ
タマズサ
シュトラ
わかな

まおチーム

まお
RTYUA
くぃーん
ジー
ライラ


ベノチーム:牢獄




ベノ「やっぱりだが…ブレーカーが壊されてやがるな…。仕方ねぇ、シュトラ、頼む」
シュトラは目を瞑ると颯爽と走り出した、そして牢獄手前で止まると
シュトラ「透視能力(クレアボイアンス)…」
超能力の一つ、クレアボイアンスで中を透視する
ベノ「…こいつはてゐ劇の仲間だ」
シュトラと手を握っていたベノがそう言って鍵を外す、シュトラには多彩な超能力の他に前回(四話参照)でも見せた『他人と意識を共有させる』という能力も持っている。今はベノと意識を共有させ、牢獄の中にいるのが味方かどうかを見定めているのだ。忘れられがちだがベノも負けず劣らず『全世界のてゐ国歌劇団所属メンバー全員の顔と名前と声と細かいプロフィールまで全部覚えている』ほどの超記憶能力を持っている。因みに全世界にてゐ劇に所属しているメンバーはざっと10万を超えていると言われている…
ベノ「コイツは違う、次!」
次々と牢獄を開いて味方を開放していく、その間わかなはブレーカーを直し、今、電気が再び付いた!
ベノ「すぅ…てゐ国歌劇団総司令として命ずる!!全員!立ち上がれ!!」
その声に、牢獄に囚われていたてゐ国歌劇団のメンバーが一斉に気合の声をあげ、牢獄から解き放たれた!!
ベノ「ゆっこ!トノ!バン!キオウ!」
四つの名前を呼ぶとその四人はすぐに駆け寄ってきた
ゆっこ「べノはん、日組揃いましたぁ!」
ばかトノ「雨組全員揃ったぞえ!」
バン「砂組も全員揃ったぞ!」
キオウ「氷組も揃った!」
ベノ「よし、お前等が居れば勝ったも同然だ、掴まったのは予想外だったがな…」
ゆっこ「あの紫のえらい強いやよ、気ぃつけや」
ベノ「いや、知っている。あいつと俺は古い付き合いでな、アイツの名はシャーヴァル、ダークネスポケモンという特殊な奴でな…このことはまだ内密で頼む、詳しくはこの件が解決してからだ」
ゆっこ「了解!行くで!」


まおチーム:ニーナ探し


まお「くっ!何処だ!?」
くぃーん「しゃらくさい!!てゐ劇を吹き飛ばす!!」
ジーナ「それはダメデス!!私たちまでお釈迦になるデス!」
ライラ「シャーヴァルって奴も何処に居るかわからねぇってのに…」
RTYUA「もしかしたら…」
まお「どうした、RTYUA?」
RTYUA「この場所に居ないのかも…、ほら、ここってボク等にとっては家同然でしょ?そこに隠したってすぐに目安が付いてばれるんじゃない?」
まお「では牢獄か!?」
くぃーん「いや、無い」
ジーナ「牢獄を破られた場合のことを考えるとあまりにもリスキーデス、恐らくは…」
ライラ「あそこか…!」
まお「可能性はあるな、急ぐぞ」


現在地:ミアレシティ裏道

〔永遠の約束〕

シャーヴァル「ぐぅ…!中々やる…!」
一方、シャーヴァルは先ほどから八重桜の相手をしていた、必死に応戦するも数の事もあり、必然的に苦戦を強いられていた
すみれ「やるじゃん、楽しいよね」
シャーヴァル「伝説の八重桜と戦えて感激の極みだが…!今は止めて欲しかったな…!」
スズラン「キャハッ!!”ギガインパクト”!!」
シャーヴァルは擦れ擦れでスズランのギガインパクトをかわす、しかし攻撃は絶え間なく続く為、あのシャーヴァルが防戦一方だ
シャーヴァル「これが伝説…!七年前の伝説とは思えん強さだ…!!」
ヒイラギ「感激だわ、あなたも中々よ」
シャーヴァル「だが…これ以上は…!」
ステイル「リーダー!」
シャーヴァル「ステイル!ここはもういい!お前は防衛に!」
ステイル「承知しました!」
あじさい「せっかく仲間が来たのによかったのかな…」
シャーヴァル「倒す、までは行かなくても少しの間だけでいい、ご退場願おう…!!」
すみれ「…」
全員がため息を漏らすとリーダーであるすみれがシャーヴァルの目の前に降り立つ
すみれ「だめだねぇ、倒すって男らしく言ってくれないと、こっちもやる気無くしちゃうよ」
シャーヴァル「なっ…」
すみれ「倒すって言ってくれるなら…『私たちはあんたと早く決着つけるために協力してあげるけど?』」
シャーヴァル「…答えは」
すみれ「答えは?」
シャーヴァル「答えは最初から決まっている、この戦いは俺が個人でやっていることだ、確かに貴女方、八重桜に協力してもらえば百人力だ、すぐにカタが付く、だが…それは俺の力で成し遂げた事にはならない、だから…。…この件はもうすぐ決着がつく、その後ならいくらでも相手をする、そして貴女方に勝って見せる!!だから今は…」
くるみ「すみれ、どうする?」
クチナシ「本気だな…」
すみれ「…約束できるね?」
シャーヴァル「あぁ、約束は何があっても守る、それが俺の…生涯に約束した約束だ」
その迷い無い目を見るとすみれはニヤッと笑って他の八重桜と並ぶ
すみれ「わかった、あんたの強い思い、受け取ったよ。それじゃあ頑張りな、終わったらこの番号に電話してきな」
それだけを言うと八重桜はアッサリと引き下がり、徒歩でどこかに行ってしまった
シャーヴァル「…また約束が増えたな、さて…約束を守る為にも…必ず勝って見せる!!」


現在地:てゐ劇地下


ベノ「うっし…幸いなことに無傷か、さすがアイツに作ってもらっただけはある」
実は、ベノのマスターキーにはもう一つ、重要な役割がある、それは…彼の専用バイク、『BN-034:天雷(テンライ)』のキーにもなっていることだ
ベノ「よし…待ってろ、ニーナ!もう…これ以上何も失わせない!!」


現在地:ミアレシティ、てゐ劇前


まお「ふむ、べノの方は上手く事を進めたようだな」
RTYUA「襲ってきた影の数も少なかったけど…もしかしてそれだけラグナたちのほうに流れてくれたのかな?」
まお「いや、どうやら別のところだったようだぞ」
そう言ってまおが前方を指差す、そこには影の軍団が怒涛のように押し寄せきていた。それを見て五人は戦闘態勢に入るがまおの肩に背後から手が置かれる、それは…
ゆっこ「まおはん、コイツらはウチ等に任せてえな、ベノはんからの総司令命令でウチら、てゐ国歌劇団総動員で三組をサポートさせてもうで」
なんと背後にはいつのまにか現在カロス配属されているてゐ国歌劇団が総動員、思わず五人も圧巻していた。その数は百人越え、
まお「貴様等…これだけ捕まっていたのか…」
ばかトノ「あのシャーヴァルというのに奇襲を受けてな、隊長会議の前日であったとはいえ不覚じゃ…」
まお「いや、むしろこうして反旗を翻すことに繋がったのだ、怪我の功名というやつだ。では後を頼んだ!」
まおが走り出すと後ろの全員が走り出す!まお達五人は影の間を糸を縫うように通り抜け、その先に進み続ける!それを追いかけようとする影を後ろのメンバーが引きとめ、押さえつける!
まお「恩にきる!行くぞ!RTYUA!くぃーん!レジーナ!ライラ!」


現在地:メトロン 操縦室


アデア「約五時間ほどで到着か…思ったより早くつきそうだ…」
ゆきの「ホウエンとカロスってこんなに距離があるのね、意外だわ」
アデア「自家用ジェットとかあればすぐなんだけど…このメトロンの現在地は海の中、と言っても特殊なトンネルの中だけど…」
そこにあるま、しゅヴぁる、ドラゴの三人が入ってきた、ずいぶん考え込んだ顔をしている
あるま「失礼する、アデア、提案なのだが…」
アデア「どうしたの?」
しゅヴぁる「次のターミナルで一度このメトロンを降りようと提案しにきた」
アデア「えっ…どうして…?」
ドラゴ「ちょっと来てくれ、見せたいものがある」


現在地:メトロン 動力室


アデア「これは…!」
実はメトロンには普通のディーゼル車と違って操縦席(室)の前にエンジンを置いておらず、大きすぎるがために乗車室の後ろに動力室として大型のエンジンを積んでいる、そのエンジンは…現在真赤になり、いかにも爆発寸前のような危なさを携えた姿をそこに見せていた、それだけではなく、動力室自体もかなり高温だ
しゅヴぁる「どうやら無理をさせすぎたらしい、これ以上は危険だ」
アデア「冷却できれば…」
あるま「ダメだ、もう自然冷却以外の方法では危険だ。ここは次のターミナルでこのメトロンを乗り捨てるしかないだろう」
アデア「次って…シンオウターミナル!?」
ドラゴ「どうした!?」
アデア「止まれない!シンオウ支部には乗り物がないんだ!先月の会議でシンオウ支部の乗り物を解体、及びメンテナンスすることが決定して…丁度今は…」
あるま「どれも使えない…!なんということだ…!何か手は…!」
ゆきの「あるわよ」
不敵な笑みを浮かべてゆきのが言い放つ、一同は頭に?を浮かべていたがゆきのは堂々と操縦室に戻ろうとする
ゆきの「むしろ…幸運ね、止まってやろうじゃない!シンオウに!!」



次回予告
ベノ「俺は護る、どんな形でも」
シャーヴァル「それが平和への一本道だからだ」
いよいよ再開したベノとシャーヴァル、未来への思いと過去の約束がぶつかり合い、戦いは激化していく。譲れない思いが交差する最終決戦が今!始まる…!


次回 てゐ国歌劇団スペシャル† wound that I will never forget 第六話 最終章Ⅰ 行き着く先は…


どちらも同じ、平和を願っているのに…なぜ争いあう必要があるのか…



特報



ベノ「クッソつまんねぇえええええ…」

増えに増えたレギュラーキャラ!!

もみじ「ねぇねぇ、みんな」

その数45人!!

タマズサ「どないしたん?」

もしその45人が!!

もみじ「思ったんだけど…アタシたちの中で一番強いのって誰なの?」

全員「…」

トーナメントで!!

ベノ「いいことを思いついた、ルールがあるからダメなんだ、だったら対抗戦すりゃいいじゃねぇか、俺たちてゐ国歌劇団でよ!」

ガチバトルをしたらどうなる!?


前代未聞!普通とは違うぶつかり合い!!それがマジのランダムで(マジです)!!ぶつかり合う!!

はたしててゐ国歌劇団四組(毒、地、兎、鍼)の中で誰が一番強いのか!?


てゐ国歌劇団特別編 45人でバトルトーナメント

近日(4月中旬?)公開予定!!

はたして誰が勝つか…、私にも分からないです。完全にアドリブで書きますので